落武者に見る美。
ベランダのメダカを眺めていたら。
一匹が、落武者になっていた。
必死に餌を探すうちに。
あまり質のよくない、毛足の長いコケ。
それをくわえてしまったようだ。
どうも食えないので、吐き出そうにも
毛足の長さでなかなか吐き出せない。
頭を左右に振るものだから。
ばっさばっさとコケが左右に揺らぐ。
落武者か。
あぁ、そうなのかもしれない。
必死な姿は、スマートにはみえない。
むしろ必死な時ほど滑稽だ。
でも実は、そんな時。
落武者のような姿の時こそ。
真には美しいのかも知れない。
周りに笑われないように気にする日々は。
自分自身を生きているのだろうか。
潔い切腹より。
生き延びるために必死のみっともなさ。
それも美なんじゃないか。
AWESOME!
♯923